転換点

歴史的転換点というものは、ただ渦中にある人間にとっては認識し得ないスケールをもつがゆえに歴史的なのであろう。1923年の関東大震災で灰燼と化した首都がその20年後に再び塵となる、その事実はあったとして契機には諸説あり、常に奥行きは深い。同じく、あとになって振り返れば岐路であったと認識される状況にあって、この国がシンガポール的に統制された国家になっていくというのは今となっては幾分マシな部類のシナリオだろうという気がする。この道しかないと唱えるほど余裕のない政治において、事態は想像を超え悪化していくのではあるまいか。