逃げるのは恥だが役に立つ

Kindleで発売なったばかりの『KISS』2月号を買い求めて『逃げ恥』を読む。電子書籍版なので日付の更新とともにリリースとなったはずだけれど、朝時点で早くもベストセラー1位のタグがついていて、今さらながら『逃げ恥』人気に感心する。いや、そればかりではないのかもしれないけれど、たぶん。
こちらとしても最後まできっちり勤め上げる方だし、マンガとドラマの最終話がほぼ同時期ということはあまりないことなのではないかと思うので、体験としても貴重。その最終話のタイトルは「の」の入った「逃げるのは恥だが役に立つ」。
ドラマの脚本家も最終話のネームはあらかじめ読んでいたという話なので、互いに呼応するような内容になっていて楽しい。いつも思うことだけれど、マンガの方がわずかにラディカルな思想で、その持ち味を最後まで保っているし、「ジュウシマツバス観光」ならぬ「ジュウシマツ引越センター」のカットがあるあたりのファンサービスも嬉しい。
写真館で写真という平匡さんの昭和な発想にはちょっと驚いたけれど、この終わり方ならでは続編はあるまいということも腑に落ちて、よいフィナーレというべきではないか。
作者のツイートによれば、番外編の百合さんのエピソードはとてもドラマにはできないという話なので、やっぱりこれでおしまい。8巻の「ときめきを丸い結晶に閉じ込めて」というセリフは結局、そのままでは使われなかったのでちょっと残念ではあるものの。