雨天

ひと雨ごとに春に近づくというわけで、それが不満ということではないのだけれど、通勤の途中、前方からトラックが向かってきたのを見て、あらかじめ嫌な感じがしたのである。体側は柵があって、逃げ場なし。馬鹿でかいタイヤが跳ね上げた水柱は2メートルを越えていたと思うけれど、咄嗟に傘を差し向けた視界は暗転してよくわからない。バケツをぶち撒けた音がしたものである。ズボンは概ね水に浸かったようになって、突然の暴力に晒された呆然の後は思わず笑ってしまう。