10 クローバーフィールド・レーン

『10 クローバーフィールド・レーン』を観る。J・J=エイブラムスが製作に入って『クローバーフィールド』との関連性が説明されていたように思っていたけれど、宣伝の都合を除けば、その世界観はほぼ関係ないと言ってもよいのではあるまいか。主人公が訳も分からず状況に巻き込まれるというあたりは、わずかな類似になるかもしれないけれど、そもそも体裁はファウンドフッテージスタイルでもないオーソドックスなサスペンスなのである。
物語の9割は、終末に備えてシェルターを作るような人たち、いわゆるプレッパーズのドゥームズデイバンカーに籠城するハメになった3人による密室劇となっている。久しぶりの気がするメアリー=エリザベス・ウィンステッドが主人公で、ジョン=グッドマンがちょっと怪しいプレッパーを実にそれっぽく演じている。
全体の印象は微妙で、閉鎖状況ものとしては見覚えがないともいえず、ネタそのものも感心するほどではないというか。端的には『ディヴァイド』を思い出したのだけれど、感想もあれによく似ている。
もとの『クローバーフィールド』は核兵器の使用により汚染された区域を暗示していると思うのだけれど、それを住所にしてしまうセンスはそもそもどうなのか。