『99分、世界美味めぐり』を観る。いわゆるフードブロガーの生態を題材にしたスェーデン製のドキュメンタリー。冒頭からうんざりするような美食家ぶりが語られるので、単なるグルメのドキュメントではないと知れるわけだけれど、観ているうちフードブロガーの孤独が前面に立ち上がって来ていたたまれなくなる。究極の美食を孤独に繰り返しながら、居心地の悪い旅を続ける人たちの話だと思えば、ことは美食やブロガー倫理の話にとどまらないし、三ツ星の高級料理も後景化していく。好きでやっている自己表現とグルメならそっとしておくがよいのではないかと思うけれど、わりあい底意地の悪い人たちが撮ったのではないかという気がしてならない。