Brexit

ボリスがまんまと野望を遂げる世界であれば、ドナルドがそれを成しても不思議はないけれど、このところの失調でドミノ倒し的なポピュリストの台頭はさすがにないだろうと思えるのが現時点での救いといえば救い。
そのBrexitについては、EU側のドイツ、フランスからは早速、離脱宣言を促す発言が出て、離脱交渉期間がいつ始まり、この2年をどのように使うかということについてのせめぎ合いが早くも始まっている。
国際政治の生々しさというのを見る局面であり、不確実性を可能な限り低下させていくという意図はもちろんあるとして、それはEU法の英国適用の期限を短くする動きでもあり、離脱宣言が早ければ早いほど、期限切れを回避したい英国の交渉力は著しく弱まるであろう。なんというか、えげつない。積み上げてきた政治的資産はかくのごとく不毛なプロセスで費消されることになり、大英帝国800年の終わりの始まりという見方もあながち誇張ではないかもしれないと思ったものである。