『X-ミッション』を観る。キアヌ=リーヴスとパトリック=スウェイジがすごく魅力的で、キャスリン=ビグローが監督をしていた『Point Break』のリメイクだけれど、エクストリーム・スポーツ全般に題材を拡げ、舞台を世界各地にスケールアップしたイマドキの映画になっている。派手な大作になってしまっているので、もはや1991年の映画との類似はわずかで、風呂敷を広げるためにデタラメな展開になっていると言わざるを得ない。当時、キアヌ=リーヴスのジョニー・ユタが大好きだったのでちょっと辛口になるのだけれど、ハリウッド製大作アクション映画のデタラメさからすると水準作。
『Point Break』の10年後に『ワイルド・スピード』がそのプロットを踏襲してポール=ウォーカーを世に出し、その『ワイルド・スピード』が『スカイミッション』まで順当に大作化して、インフレを起こした挙句の世界観で今回の『Point Break』が作られてしまった構造はちょっと面白い。
だがしかし、新しいジョニー・ユタを演じるルーク=ブレイシーがキアヌ=リーヴスやポール=ウォーカーほどの逸材かといえば、それほどの色気はないみたい。
監督のエリクソン=コアは撮影出身だけあって映像そのものはキレイで、CGではない言葉通りのエクストリームアクションも見どころではあるけれど、むしろメイキングのほうがドキドキするというのは企画そのものの不幸というべきではないか。