『エグゼクティブ・デシジョン』を観る。ロシア崩壊後の混乱が背景にある1996年の映画で、1988年代の『ダイ・ハード』の直系というべき閉鎖状況ものの傑作だと思うのだけれど、カート=ラッセルを主演に配しているあたりが渋すぎたのか、作品の格としては不当に扱われているような気がしなくもない。カート=ラッセルの最高作にして、ジョン=レグイザモの出世作であり、面白いのである。脚本が『プレデター』のジム=トーマス。とはいえ、911を経験したあとの世界にとっては牧歌的という他ない世界観であり時代が追い越してしまったようなところがあって、作品にとってはその点が不幸かもしれない。