『クラウン』を観る。『コップ・カー』に先立ってジョン=ワッツとクリストファー=フォードが手がけたホラー映画。もともとは二人が作ったフェイク予告編がきっかけとなって本編がプロデュースされたという話で、若い才能が詰まった処女作ということになる。もちろん比較的には低予算だとして、処女作には作家の全てがあるとの言葉通り、洗練される前段階の才気のきらめきのようなものが画面上の工夫としてそこかしこにあって、まず映画として面白い。彼の国にはピエロに対する都市伝説的恐怖があるということだけれど、子供が見ればトラウマを抱えることになるはずだし、そもそも相当グロいところがあるのでR15+のレーティングになっている。しかし、本作も『コップ・カー』も子供が酷い目にあうというのが共通項で、制作側にはどこか歪んだところがあるのではあるまいかと心配になるけれど、この流れで若年の主人公を据えた『スパイダーマン』を撮らせようというのだから、マーベルの判断にもどこか蛮勇に似たところがあると思い直したものである。