『クリーピー 偽りの隣人』を観る。サスペンスによくある隣人ものかと思いきや、監督が黒沢清なので徹頭徹尾、画面には不穏な感じが横溢して話は理不尽で時にツジツマが合わず、いろいろ凄い。奥行きをともなう複雑なレイアウトはライティングも動員しながら異様を際立たせて、常軌を逸した状況がなんとなく了解されてしまうから、やはり大したものであろう。隣人ものというのはあまり好きではないのだけれど、もはやファンタジーの域に踏み込んでおり物語の終盤、ワゴンでの移動シーンは黒沢節炸裂という感じの合成画でファンサービスもきっちりしている。この嫌な感じでの130分はかなり辛いにして。