角背にコート紙で559ページという分厚い図鑑のような装丁に、もちろん図版は多いとしても、4面割付で途中稿までみっしり入った本体に加え別冊で完成台本まで付いた『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を買い求めて読み始めている。
2013年7月に始まる監督の構想メモまで収録されており、いや、その密度はいろいろとすごいものだけれど、とりあえず書見台が必要だ。却下された第5形態の検討案も含め、様々な途中資料が網羅されており『THE ART OF』を名乗るに相応しい内容となっている。加えて制作の修羅場について当事者のインタビューまで充実しており、この稀有な記録の発売スケジュールが例によって何度か延期されたのは知っているけれど、全体をみるとよく年内に発売できたものだとすら思えて感心する。
個人的には、リサーチにも使われたという何バージョンものプロット稿が楽しくてついつい読み耽ってしまう。しかしコレ、文字の大きさは6ポイントくらいじゃないだろうか。
あの作品の、さらなる細部がみっしりと詰め込まれていて、しかしもちろんそのタイトル通り役者への関心は一切ないというところがまた素晴らしい。ディテールに打ち震えた覚えのあるファンであれば、もちろん迷わず買い。