あまり切れ味のよくないファイナンスの研修に出て、それはともかく企業収益はかつてのバブル期を上回っているというデータを眺める。バブル期の特徴は過剰投資にこそあれ、収益が高かったのはたぶん金融周りの一部企業に限られていただろうから、驚くにあたらないとは思うのだけれど、企業業績が伸びて株価は反応しても、その恩恵が国内の経済に直結するわけではないというのは、むろんその通りであろう。伸長しているのが海外業績であれば富が国内に還流するとは限らないわけで、トリクルダウンする前に多くは蒸発していると考えればアベノミクスも日銀の緩和策も出口はいよいよ遠いのではあるまいか。これを支持している人たちはどのような展望をもっているのだろうかと最近よく思う。