『ホーンズ 容疑者と告白の角』を観る。本来であればジョー=ヒルの原作を先に読むべきなのだろうけど、こちらは未読。ダニエル=ラドクリフ演じる主人公が唐突にほぼ脈絡もなく備わった悪魔的な力を用いて、恋人が殺された事件の真相を探るという突拍子もない話ではあるけれど、主人公の頭部に生えた山羊の角の前では誰もが本心を曝け出すという設定が案外、効いていて面白い。父スティーブン=キングよりはディーン=クーンツの『オッド・トーマス』を想起させるストーリーなのである。一見、普通の登場人物が、ほぼロクでもない性根を抱えているというところばかり父に似ており、キングの罪深さはだいたいこういうところに表れている。