ユーグレナの出雲社長の話を聴く機会があって、正直、予備知識はないに等しかったのだけれど、あまりにその内容が面白かったので著作まで買って一気に読む。『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』基本的に爽やかな書きぶりで、苦く自らを省みることはあっても青春もののようなタッチの起業記だけれど、実物はそれよりも漫談師のような話術がふるっており一歩間違えれば胡散臭いほど練れていてまず飽きない。ミドリムシ、学名ユーグレナについての認識を改めたのはもちろん、その栄養価もさることながら、太古の昔、ある条件で大繁殖したミドリムシ的生物が化石燃料として堆積したと想像すれば、そのバイオ燃料としての可能性は計り知れぬものと思えて実にわくわくする。