『レジデント』を観る。アルバトロスの配給というあたりで警戒心が頭をもたげてくるけれど、アルバトロスだってこの道一筋でやっている以上、ハズレばかりということでもない。このデンマーク製のホラーは80分ほどの短尺だけれどゾンビが登場するのも半ばを過ぎてからで、それよりも何らかの感染病の流行が伝えられ、これを封じ込める部隊が突如、街中に進駐して日常が非日常に侵食されていくあたりをきちんとやってくれるあたり、なかなかわかっていると言わざるを得ない。ゾンビものの面白さは日常が崩壊していくところにあるからには。
もちろん、さほどお金がかかっているわけでもなく、ゾンビのイメージにも新しさはないし、登場人物の配置とエピソードもありきたりといえばそれまでだけれど、こじんまりと手堅く作られているのは美点といえる。冒頭からしばらくの北欧っぽい色調は上手く表現されていて、画面の色をきちんと演出しているあたりもしっかりしている。