『ロスト・バケーション』を観る。ブレイク=ライヴリー演じる主人公が、メキシコのひと気のない入江でサーフィンをしているところをサメに襲われて岩礁に逃れ、ある種の閉鎖状況にあってサメの襲来を躱しながらサバイバルを試みる。
今さらブレイク=ライヴリーの水着がウリのB級映画かと甘く見ていたのだが、87分にアイディアとサスペンスの詰まった内容で、正直すまんかった。画面のレイアウトは縦横自在であり、動きがある上に色使いは美しく、痛みをともなうアクションには説得力があるので見ているこちらまで足が疼く次第で、どうしてなかなかよくできているのである。鮫映画としても出色の出来。
監督のジャウマ=コレット・セラは『蝋人形の館』を撮ったひとで、あれも見ているだけで痛くなるような、しかし予想外に面白い映画だったけれど、これもあたり。ドローンも使った4K動画が手軽に撮れるようになっていることで、静止画の作り込みとは少し違った、動きのあるレイアウトの面白い画面が堪能できるようになっていて、こうした映像が得意な監督の活躍の場は今後、広がるのではなかろうか。