『壬生義士伝』を観る。もちろん、浅田次郎の原作は何回か読み返しているのだけれど、映画のほうはかなり昔、ヨーロッパに向かう飛行機のなかで観たきり。もちろん、2時間そこそこの尺で語りきることができる内容ではないにして、斉藤一の悲恋という映画オリジナルの要素が入っていることにむしろ驚く。いかにも往年の邦画という改変がされていりけれど、他に語らなければならない内容があると思うのである。
クライマックスというべき鳥羽伏見の戦いも製作の都合からかなりスケールダウンされていて、どうやら太秦の映画セットの範囲で表現されているので、一番の見どころというべき吉村貫一郎の名乗りの場面もちょっと残念な感じ。いうまでもなく、原作を読むべき物語であってそれ以外にない。