心のカルテ

『心のカルテ』を観る。摂食障害の治療のための共同生活を題材にして年若い娘が拒食を乗り越えようと歩み出すまで。主演のリリー=コリンズが『マシニスト』のクリスチャン=ベイルみたいに痩せ細って、まずそのインパクトに言葉を失う。リリー=コリンズ当人もeating disorderであったことがあるみたいだから、どこまでが特殊効果であるかもわからない。
なぜ摂食障害をなったのかという問いは本編でも繰り返しされるけれど、主治医を演じたキアヌ=リーヴスが早い段階で単純な理由などないと言っている通り、端的に明かされること真相などはないし、物語的な解明が主眼の話でもない。キアヌ=リーヴスが活躍するというのともちょっと違うのだけれど、生と死の境まで行って、結局のところ繋ぎとめられて戻ってくるというあたりは緩やかに描かれ当人に寄り添ったものになっており、真面目な意図をもった映画であることは間違いない。役者の演技そのものも迫真を越えている。

庭