朝日ソノラマの『妖精作戦』が昭和59年の奥付なので西暦でいえば1984年以来、ハヤカワからは初めてとなる笹本祐一の『放課後地球防衛軍』をほとんど反射的に買い求めてこれを読む。
ハヤカワJA文庫に笹本祐一の小説というのは今や意外な組み合わせと言えるくらい作家の年季は入っていて、自ら「現役最古のラノベ作家」を名乗っているくらいだけど、本編はノンフィクションの『宇宙へのパスポート』を含む、これまでのいろいろが原型を残さないくらいまで煮込まれたような印象で、もちろん原点というべき『妖精作戦』シリーズの風味すらあって楽しい。思えば『カーニバル・ナイト』の末尾にも「次回予告」が付いていたものである。しかし今回その予告には「検討中」の文字が入っていて、かなり即興感のあるシリーズ開幕となっているわけだけれど、出来れば10話完結のドラマくらいの構成感で、盛り上がる結末に向けてテキパキと話を運んでもらうとありがたい。