あけましておめでとうございます。
大晦日には紅白をみて、SNS向けにわざと脇を甘くしてみせたという感じの冒険的演出を楽しみ、東京事変を従えての椎名林檎を頂点として、もちろん星野源のパフォーマンスをきっちり拝見して、結局のところやっぱりガッキーだろという結論で2016年は終わりぬ。
毎年、元旦は早くに酒を食らってグダグダとするパターンが多いような気がするのだけれど、本年はかねて決意の通り『空飛ぶ広報室』を第1話から第11話までマラソン鑑賞して年明け早々、志を貫徹するという幸先の良いスタートを切った。異議は認めない。
2013年のオンエア時には一切これを関知せず、有川浩の原作を読んだのもつい先日という状況で、つまりこれは昨年後半からの野木亜紀子脚本、新垣結衣主演ドラマ再評価の一環であり、このあとに『掟上今日子の備忘録』が控えているという次第。
小説を読んだ時は11回の連続ドラマで構成するには素材が足りないのではないかと思ったし、そもそも航空自衛隊の広報露出は調整と根回しで何かと大変ということそのものを題材にしている物語をテレビドラマにしようというメタ構造にも困難しか感じられないけれど、もちろん航空自衛隊の全面協力によって要所要所に航空機材は出てくるし、例によって脚本は抜かりなく再構成され原作にあってもおかしくないエピソードが補強されていたりもするので飽きない。洋食ナポリのエピソードなんか、ドラマ的に実にうまい。これが第2話なので、物語全体のセットアップにもかなり貢献して。
あらかじめ『逃げ恥』を知っているので、野木亜紀子の文体のようなものが窺えて楽しい。いくつかの場面は二重写しとなり、主要キャストもいいにして、高山侑子や宍戸美和公がちらりと登場するだけでも盛り上がるマニアックな世界に入っていて、病膏肓に入るという状態。これをして平和という。