『映画 深夜食堂』を観る。いつか機内上映で観たことがあったのだけれど、この映画の雰囲気が好きで、しかしテレビシリーズの方は未だに観たことがないし、原作のマンガも読んだことがない。映画版も『続・深夜食堂』が公開されたようだけれど、こちらも未見。
このマンガを原作として韓国や中国でもドラマが作られているという話で、胃袋と人情の普遍性とはかくも強固というべきか。
思えば自分内での邦画再評価の流れはこのあたりからで、何も谷村美月や須藤理彩が少しばかり出演しているからというばかりではなく、本邦の作品であればこそ理解することができる伏流水のような文脈がわりあい心地よいと思ってしまったまでで、これはたぶん年齢によるものなのではないか。もはや、いつの日か、演歌のよさがわかるようになることがないとも言い切れぬ。
後半は311を絡めた話になっていて、このエピソードには『カルテット』で別府司が勤める「ふくろうドーナツ」の同僚、九條結衣を演じている菊池亜希子が出演しており、以前に観たときは認識していなかったのでちょっとマニアックによろこんだりしているのだけれど、我ながらいささか深い沼に嵌っている感じがしなくもない。それにだいたい、なにごとも脇道に逸れていくタイプなのである。