『昨日のカレー、明日のパン』の第1話を観る。原作となった木皿泉の小説を読んだことはあるけれど、NHKで放映されたドラマについては見逃していたのである。テツコとギフの生活の中にある遺影のなか、一樹を星野源が演じていようとは。
木皿泉の脚本であるからには、もちろん奥行きがあって、会話の深みと日常の面白さが沁みると言うものだけれど、小説と通底しつつ、小説とはまた異なる面白さがあって堪能できる。
欠落についての、この少し愉快で静かな物語のエンディングに流れるプリンセスプリンセスの『M』とその背景に凝縮された無声の、しかしエモーショナルな回想シーンがまたよくて泣ける。この演出は好き。