権力犯罪の図式というのは結局のところそれほど複雑ではなくて、オリンピックなり経済特区といったイベントに絡めて公共部門から私的セクターへの富の移転を行おうというのが本線であり、役人に加えられた圧力というのもその手段に過ぎない。政治家の悪事を糊塗するために進んで泥をかぶろうという小者が意外にも結構いるので、そちらに目がいくのもわからなくはないけれど、この政権の終わりの始まりは既に起きていることなので、金銭にかかわるスキームの全体像がそろそろ整理されてもいいころなのではあるまいか。もちろん、それは端的に疑獄ということになるはずである。