殿、利息でござる!

『殿、利息でござる!』を観る。中村義洋監督が脚本にも入っている時代もので、羽生結弦が伊達重村役で出演したことで話題になっていたけれど、経済的な困窮にある宿場町を救おうと奔走する人たちを丁寧に描き、よくできた人情噺となっていて、志と経済の普遍的なテーマを備えているあたりにも感心する。タイトルと惹句から想起するよりもずっと真面目な映画で、史料の語る実話に基づいており、しかしなかなか面白いのである。中村監督なのでナレーションに濱田岳が入っていて、RCサクセションの『上を向いて歩こう』を使っているあたりの趣味もいい。
そして肝心のゆづさまは短いながらもきちんとセリフのついた役回りで、意外にも堂々とした演技をみせている。

上田城