異常気象

人間の認知というものは、個人の認識できる範囲のスケールに最適化されており、そのレベルを超え地球規模で起きている事象を掌握することは本来できないし、茹でガエルの言の通り、時間経過による変化にも鈍感であることは間違いない。
地球の温暖化が言われて久しいが、普段はそれを意識することもなく、ただ日々をやり過ごすというのが一般人の生活だとして、人類としての知見が蓄積されていることもまた事実で、たまにはそれを認識したほうがよい。
気象庁はこのところ信頼が低下する一方の官庁のなかでは例外といってよく、アウトプットには日々改善の気概も感じられ、気づきを与えられることも多いのだけれど、異常気象の分析は世界を視野に情報を開示していて仕事ぶりは賞賛に値する。そしてその仕事によって地球の大気の傾向的な高温化は明らかとみえ、トランプがパリ協定脱退を表明しつつ、ついに温暖化そのものを否定できなかった事実の重みというのはこのあたりにある。