『真夏の方程式』を観る。テレビドラマの『ガリレオ』は観たことがあるという程度で『真夏の方程式』は原作も未読だけれど、福山雅治はわりあい好きである。『容疑者Xの献身』も案外、悪くなかった記憶があり、本作もタイトルの通り夏そのものが描き込まれた映像が美しく、どちらかといえば地味な事件は事件として、雰囲気そのものがまず良い。監督の西谷弘の狙いもそのあたりであろう。有栖川有栖の『孤島パズル』以降、夏もののミステリは自分的になかなか重要なジャンルなのだけれど、本作はそのなかでも上位にランクされる出来栄えで、いい仕事といえるのではないか。