粛清前夜

どうやら会期の延長もせずに強行突破の雲行きとなった共謀罪の創設は、憲政と法治を貶めたその結果として、毒を食らわば皿までの言葉通り、一党独裁の道を突き進もうという強い動機をあの者どもに与えるに違いないのである。この仕儀さえ国民はじき忘れると期待するほどに暗愚である可能性は捨てきれないが、これほどに卑しい者ほど、己に向かってくる矛先を恐れるのは違いない。その防衛機制は抗議を唱える人びとへの陰湿な攻撃として、驚くほど早い時期に現れるだろう。