ハリー・オーガスト、15回目の人生

クレア=ノースの『ハリー・オーガスト、15回目の人生』を読み始めている。そのタイトルが説明するように、人生を終えるとそれまでの記憶を保持しつつ、誕生時に戻ってまた同じ人として別バリエーションの人生を歩むハリー・オーガストの物語。
選択によって大きく世界が変わっていくあたりは時間ものというよりは多元宇宙設定の話で、何巡もの人生を交錯させながら徐々に物語をすすめていく語り口は芳醇で、ぐいぐい読ませる。面白い。
読んでいるうち松本零士の『ミライザーバン』を思い出し、しかしそれを読んだのも遥か昔、小学生のころなので勝手にストーリーを重ねている疑いが拭えない。改めて読み直そうかとも思ったのだけれど、思い出だけが美しいという可能性も否定できないので少し躊躇している。時は輪のようにあり、遥か未来のその先が今というアイディアはちょっと忘れ難く時々、思い出す。