25周年

高橋一生が長澤まさみと共演したdTVのCMもよかったけれど、ドコモ25周年ムービーは黒木華が相手だということなので、メイキングから楽しみにしていたわけである。4分と少しの本編は期待に違わず良く、これを正座して観る。まず目がいくのは小道具の細部に滲む時代感で、同時代を生きてきたものとしては懐かしく目尻をおさえることとなる次第だが、娘役が川本家のひなちゃんこと清原果耶であるという分厚いキャストもただごとではないにして、やはり高橋一生と黒木華の演技の奥行きは一見の価値がある。既に存在だけで何事かを表現するという境地にあって、ことにラストシーンの黒木華ときたら子供が巣立とうとしている母親にしかみえず、いやいやそんなわけはないと思うだにただ感心するほかない。