いきなり登場した高橋源一郎に戸惑いつつ『カルテット』の第3話を観る。今回は主にすずめさんの話。背負っているのは大きなチェロのケースばかりではないけれど、「泣きながらご飯を食べたことがあるひとは、生きていけます」
家森さんのパンツの話を蒸し返しつつ、ボーダー柄シャツの「かぶり」からの特別な関係トークが、メッセージ性の強いシャツを経て、ついにはメッセージ性の強いパンツに繋がる話の繰り方に感心してしまう。楽しい。
淀君こと吉岡里帆の演じる有朱が「あきたこまち」を届けにきて、しかし4人の夕食には相変わらずコメの飯が供されないのには意味があるのかないのか。真情を吐露する場面でカツ丼をかき込むのは、ちょっと取調室的な意味合いがあるにして。真紀の渡そうとする箸が宙ぶらりんになってからのシークエンスはやっぱり見どころ。
あまりにもメジャーなバッハではなく、カサドの『無伴奏チェロのための組曲』は初めて登場した初回冒頭でも演奏していたと思うけれど、とりあえずこれがすずめさんの魂のテーマ曲ということでいいのだろうか。