3月のライオン

映画を観た流れでついつい『3月のライオン』を再読してしまう。既刊12冊なので、それなりの分量ではあるのだけれど何しろ面白いから止まらない。最近では影が薄かったこともあって、映画で有村架純が演じた香子の扱いは原作よりも存在感が増しているような気がしていたけれど、そういえばマンガの初期では「父殺し」に並ぶ姉弟のモチーフが物語を駆動していたわけで、独自の脚色というわけでもないみたい。『ひよっこ』でも有村架純か峯田和伸かという気分なのだけれど、とにかく有村架純の仕事が際立っているものだから、そういう印象を受けるのも無理はないのである。それはともかく、改めて読んでも映画の方は結構、生真面目にエピソードを詰め込んである印象で、後編がどこまでカバーしてくるのか楽しみな感じ。