カルテット 第6話 詩集的な鍋敷き

ついに唐揚げレモンの実相と「愛しているけど好きじゃない」の場面が語られることになった『カルテット』第6話は正味45分のテレビドラマらしからぬ密度で、妙に長い印象があり、ボディーブローのように重く効く。夫婦で視聴している家庭にいったい、どんな波紋を生んだかについてはちょっと想像したくない。バス通りのカフェ問題と映画の悪者問題、話題は大抵テレビの話問題と矢継ぎ早にいろいろ抉りすぎだし、壊れた夫婦の互いのセリフの振れ幅もまた。「そこ白黒はっきりさせちゃダメですよ」先週の有朱のセリフを地でいく身も蓋もない感じはどうなのか。靴下のみで語られていた場面の、役者による再演は無類の緊張感。全員、嘘つきを惹句としながら、実は内省的な正直者しかいないことが次第に明らかになりつつある上、ラスト3分のヒキがまたすごくて、これはもう、どうしたらいいのか。