『おとなの掟』が序盤に流れて俄然、軽井沢事件サスペンス調の『カルテット』第7話を観る。夫婦は1年のモラトリアムを経て、急速に終わりの時間を解凍し、落ち着くところに落ち着いたわけだけれど、回避していた結論が変わらないことを薄々匂わせながら、これに正対する方向から決着に入っていく語り口は先週に続いてボディブローのように効く。
本筋もさることながら、家森さんは青い鳥を探して森を彷徨い、有朱は不思議の国に盗みに入り、すずめは縛めを解いて塔を脱出し、別府さんは地下牢に監禁され、これを名前を取り戻した真紀が救出するという童話のモチーフの集合離散がストーリーを駆動していくあたりが今週も面白い。幹生の1年が「冒険」なら、このカルテットの「冒険」がドラゴンクエストのテーマから始まったことを再び意識する契機ともなっている。
そして夫婦はご飯でおでんを食べ、これまで白米の登場しなかったカルテットの夕食で、真紀だけはお好み焼きに白いご飯という、粉物における主食の重ね食べを敢えて描いてきているので、この物語における銀シャリ問題を再び考えてみぞみぞしている。