『カルテット』のサウンドトラックがApple Musicに来ていて、さすがに結構、力の入った楽曲ばかり31曲もあって、このところヘビーローテーションになっている。『Theme from Quartet』もさることながら、二つのバージョンで入っている『The Moldau』が殊更カッコいい。
そして第9話は、WBCの中継があって50分遅れとなったけれど、リアルタイムで視聴してカルテットドーナツホールの行方を案じる。
今回の家森さんは「本当の名前で呼んでくれ」。第1話で「モルダウ」が使われた時に予感した通り、物語は名前とアイデンティティを問いながら編まれ、唐揚げレモンの不可逆性の議論を遠く後ろにおきつつ、「音楽は常に前に進む」という決意が語られて熱い。これまで何度も繰り返された「巻き戻し」のイメージだけれど、ここにきて涼しくこれを拒否する流れとなっていて構築のうまさに唸る。「やり直しのボタンは押さない」という到達もこれまでの物語の積み重ねがあればこそで、いよいよ来週は最終回。