京都人の密かな愉しみ Blue 修業中 送る夏

いささか失速気味と言えなくもなかったシーズン1を受けている以上、胸中に心配がなかったとえいば嘘になるのだけれど、コントラストの高い画面で京都の街中を抜いてきた冒頭から居住まいを正す感じとなって、期待通り、密度の濃いドラマがそれに続くのですっかり嬉しくなっている。大原千鶴が洋装でサンドウィッチをつくり、これを劇中のキャラクターに振る舞うという、これまでのルールからの逸脱がシーズン2の作法を過不足なく表しているし、何より伝統的な京都から現代の人の営みに重点を振ってきたエピソードがドラマそのものを分厚くしていて端的に面白い。
林遣都は洗い屋でなく新しいキャラクターとしての再登板だったけれど、エドワード=ヒースローが少しだけ顔を出すあたりは、これまでのファンへの目配りも効いていて奥行きもでている。ストーリーは連作を前提としている一方で一話完結の余韻もあり、このリブートは上出来なのではあるまいか。続きも楽しみ。