『COP CAR/コップ・カー』を観る。評判のいいジョン=ワッツ監督の出世作で、ケヴィン=ベーコンが演じる悪徳保安官の車を盗んだ家出少年二人が好き放題のついでにトラブルに巻き込まれる。88分の短い尺だけれど映画的なアイディアの詰まった話で飽きない。ビール瓶一本で時系列をすんなり入れ替えてみせたこの手際はどうだ。
脚本もよくできているのだけれど時どき挟まれる美しいカットもよくて、なるほどなかなかの才能だと感心したのである。結末がまたいいのだが、小学校の低学年にこの所業を負わせるというのは常人の発想を越えているのではあるまいか。このビターブラックな感じはかなりすごいし、『スパイダーマン:ホームカミング』に抜擢されたのもわかる気がする。