『貞子vs伽椰子』を観る。ビデオカセットというメディアの衰退とともに今や呪いのミームとしては絶滅危惧種となってしまった貞子が、後発となる『呪怨』の伽椰子とコラボするという、わりと真摯なリバイバル戦略だけでも評価せざるを得ないが、それを白石晃士が調理しようというのだから期待も高まろうというものである。これに俊雄まで加わって三大スターの共演となる98分は自ずから密度が高いので、斯界の伝統というべき出し惜しみだけは一切なく、大物の怨霊たちがフル出場といってもいい高稼働率だし、鈴木光司なら怒り出しそうな除霊からの超展開も白石節炸裂という感じで最高に面白い。
安藤政信が演じるエクソシストが物語を駆動していくのもいいし、話が案外、シンプルなのにも好感がもてる。
もとよりキレイに結末をつける種類の話でもないので、何なら、いい出来と言ってもよいのではあるまいか。
聖飢魔IIによる音楽も歌詞がカッコよすぎてちょっと燃える。
Death! です おまえは既に Death! です 選ばれている 逃れられない定めなんじゃない?