土曜日の夕方、NHKでたまたま『ひとモノガタリ』というドキュメンタリーをやっていて、京大のタテカンにまつわる昨今の騒動をテーマとしたこれに見入る。「それでも彼らが戦うワケは~京大・タテカン攻防の若者たち~」というタイトルが内容の多くを伝えていて、さすが京大の学生はよくモノを考えていると感心したものである。山極総長の京大でどうしてこういうことが起こるのか今ひとつ飲み込めていなかったのだけれど、条例を根拠にした京都市の主張がこれを引き起こしていることがわかったのも収穫。これまで、京大のタテカンで放火騒動などなかったと思うけれど、体制がこれを排除した途端、火をつける輩が出てくるこの社会の同調圧力にこそ、造反有理を宣言したくなる気持ちはよくわかる。NHKのドキュメンタリーにはまだ良心というものが残っていることが伝わる良作で、無論のことここで語られているのは一国立大学の話ではない。