サマータイム・ブルース

東京オリンピックに向けて議員立法によるサマータイムの導入が取り沙汰されているけれど、報道の書きぶりを見る限り観測気球というよりは既定路線のように見えることもあって、Twitter界隈には既に怨嗟の声しかない。
開始時間には厳格なくせ、終了時間には圧倒的にルーズな日本的体質からして、労働時間が伸びるだけという懸念はもっともだし、競技時間を前倒せばいいだけという指摘にも説得力しかない。特に時限立法という、あからさまにオリンピックのことしか考えていない短慮について、開始時に繰り返されることになる2時間と終了時に消失する2時間のツジツマをあわせるためIT関連の埋没費用がどれほど生じることになるかという指摘は、損失の発生以前にY2K的なパニックものの風合いがあって昂ぶる。
それもこれも、実のところ、プレミアムフライデーみたいなアウトプットレベルでしか仕事が出来ないという、近年明らかになっている本邦の行政と立法の政策能力の深刻な劣化が露呈したという状況なので、まったく笑うに笑えない。