Netflixで『バスターのバラード』を観る。コーエン兄弟の西部劇といえば『トゥルー・グリット』に感心した覚えがあるけれど、6話からなるオムニバス形式の本作も粒ぞろいといってよく、西部劇とブラックなエッセンスが詰め込まれていて大変、面白い。ゾーイ=カザンが余人には到底、真似できないであろう説得力で役回りを演じていてうれしくなってしまう。無造作な命のやり取りとブラックな顛末に物語的な面白さがある一方で、セットもロケも贅沢なものだし、アメリカ原住民の襲撃は地を揺るがす馬群の音響が見事で全体として非常にクオリティが高い。素晴らしい。