ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観る。ニクソン政権下、非公開の政府文書をもとにベトナムに関する政策決定の経緯を報じたニューヨーク・タイムズの報道と政府の差し止め請求訴訟のさなか、後追いで報道に挑むことになったワシントン・ポストの決断を、会社の株式公開も背景において描いている。スティーヴン=スピルバーグが自身のキャリアで最速の1年という期間で完成させ、今日の政治状況に重ねて公開を急いだだけあって、箴言と警句が連なる脚本は報道の自由と民主主義の本質をリマインドするもので、こと本邦の報道に照らせば教訓を越えて警告を発しているものだと思えてならない。観るべき映画であろう。

The press was to serve the governed, not the governors.

この言葉を当然と思うことができる報道関係者、そして国民がどれほどいるかと思ったことである。