Netflixで『ホールド・ザ・ダーク』を観る。アラスカを舞台にしたミステリーというのは、日本でいえば岡山もののようなものなのか、似たような雰囲気の映画がいくつかあるような気がするけれど、極夜の暗い基調が通底したイメージで主人公を演じるジェフリー=ライトの朴訥さと相俟ってストーリーの難解さを中和する肌触りがある。
何しろアラスカの話なので登場人物はそれほど多くないにも関わらず、かなり力の入った銃撃戦があって死体の数はこちらの想定を上回り、ちょっとびっくりするほどで侮れない。アラスカの山嶺の俯瞰からのクライマックスも雰囲気は悪くないのだけれど、観客を置き去りにしている感はあって、これは原作がそうなのかも知れない。