ラスト・デイズ

『ラスト・デイズ』を観る。2013年のスペイン製のパニック映画。ある日突然、人類が屋外に出られなくなったことによって文明が崩壊していく世界で、生き残りの男が地下道を伝いに婚約者を探し求めるというストーリーがすすむ。状況設定は『バード・ボックス』とよく似ており、災厄の原因がよくわからないところも同じで、恐らくは『バード・ボックス』がこれを参照しているのではないか。バルセロナを舞台にしたサバイバルは見せ場もそれほどあるというわけではないけれど、出来るだけコストをかけずに文明の終焉を表現するという制作上の都合からこうした状況が採用されているという事情が透けるようなところもない。実際のところ閉鎖状況に必然性をもたらすアイディアとしては秀逸で、世界の終わりを扱ってスケールの問題が気にならないというのはそれだけで大したものだと思うのである。