『世界の“現実”旅行』の第2話を観る。ダークツーリズムを扱ったこのシリーズの第2話が日本で、福島第一原子力発電所の事故による帰宅困難区域へのツアーであるのが話題になっているのだけれど、日本のメディアが正面から扱わない内容に踏み込んで、少なくともこの惨事のスケールを表現することに成功しているので一見の価値がある。ツアーそのものは持参のガイガーカウンターが異常に高い数値を一斉に示して打ち切られるという展開で、ハウステンボスと富士山が至近にあるかのような繋ぎ方に現れているように、何ごとも演出優先という面はあるにして、ただの与太には収まらない説得力があるのも、もちろん実際に放射能汚染があるからで、ダークツーリストが逃げ出すのも正常な反応にしかみえない。正常化バイアスが発動しようにも、広がる光景はあからさまに悪夢的なのである。何にせよ「見ないこと」にしている本邦のメディアより、だいぶマシな態度であるからして。