Netflixで『人狼』を観る。オリジナルコンテンツの充実を喧伝するNetflixに懐疑的な向きもあろうけれど、押井守の『犬狼伝説』の韓国映画界による実写映画化を現実のものにしてしまうのだから全く侮れないと思うのである。『人類滅亡計画書』のキム=ジウン監督のこの映画は、正直言って沖浦啓之監督のアニメより『ケルベロス』っぽい。どんどんやってくれ。
『紅い眼鏡』と『ケルベロス』で言葉のみ語られ、藤原カムイによる漫画によって血肉を得たケルベロス前史の世界観が、異国の地でここまで贅沢な映画的結実を得ようとは一体、誰が想像しただろう。面白い。無論、舞台を半島に移しての換骨奪胎はあるにして、謀略とアクションの前半はもとより、人狼が地下水道にその姿を現してからの千両役者ぶりを20分も堪能できるのだから最高という他ない。グレネードランチャーをこれほど効果的に使った銃撃戦がかつてあっただろうか。特機の歴史的役割とその終焉を描く続編を作ってはくれまいか。