地上波初登場という惹句に恐る恐るという感じはあったのだけれど、『君の名は。』の初回テレビ放映は作品へのリスペクトが感じられる編集で、Z会やソフトバンクのCMも特別編という力の入りようが好ましく、正月らしい祝祭感があって、ついつい最後まで。そもそも観たことがあるにもかかわらず、今回もまた結末にドキドキしてしまう。無論、ここまで構築された話であれば『秒速5センチメートル』と同じような結末であるはずはない。誰も発砲することを考えもしないのであれば弾を装填したライフルを舞台上に置いてはいけない、とチェーホフも言っているけれど、しかし、その弾が発射されない物語もまた多いのである。