明日、君が花と散っても

『明日、君が花と散っても』を読む。柳瀬みちるという人の小説は初めてで、そもそも想定読者層にないことは明らかなのだが、それが何であれポストアポカリプスものは好きである。最近でいうと『パンドラの少女』ほど殺伐としておらず、『ステーション・イレブン』のような崩落感もないけれど、世界がやがて異なる様相で立ち上がるタイプのミステリでありロマンスでもあって、世界観を極端に広げることなくネタ一本で勝負しようという、ちょっとシャマランの映画みたいなところには好感がもてる。