視聴習慣というのは侮れない。18時からのBS放送を視聴するのが既に日曜夜のルーチンとして定着していて、『真田丸』『おんな城主 直虎』に続き『西郷どん』を初回からBSで観て、どうやら観続けてみようかという心持ちになっている。この枠は今後「早どん」と呼びならわされるのだろうけれど、SNS時代においては略称の座りのよさはかなり重要といえ、「早どん」「本どん」はあらかじめ考慮されているのかは知らないが及第といえるであろう。
西郷吉之助の幼少期に始まるオーソドックスなオープニングではあるけれど、江戸屋敷の島津斉彬が影武者をおいて鹿児島に戻っているという設定の自由さには期待がもてる。このところの大河の面白さというのは、いわゆる史実や伝承をどのような文脈におとしていくかという点にあると思うのである。『直虎』の伊賀越えはその点において集大成というに足る完成度を達成していたのではあるまいか。