雪の階

奥泉光の『雪の階』を年末の読書本として買い求め、これを読み始めている。奥泉光の小説は好き。二・二六事件前夜、女学生の失踪とその死の真相を友人が追うという話の導入から例によって念入りに構築されていて読み応えがあり、文章を読むこと自体が心地よい体験といえ、587ページの長大さは苦にならないどころか、もちろん長ければ長いほどよいのである。