『高嶺の花』を観る。冒頭から見入ってしまう感じで、脚本が誰かと思えば野島伸司。もしかしたら『世紀末の詩』以来のこのひとのドラマだけれど、石原さとみと峯田和伸をおいても、ちょっといい。恥ずかしげもなくBGMに『ラブ・ミー・テンダー』を使った朝食シーンと、どういう展開になるのか全くわからない異質な日本一周のエピソードが同居し、あれこれでキャラクターをしっかり確立した上で最後を主人公の名乗りで締めるという手際には大いに感心したのである。そして石原さとみと峯田和伸がまた素晴らしい。存在しているだけでも花があるのに、実に瑞々しいのはこの女優の常として、その相方もなにやら奥行きのありそうなところをよく演じている。